2児のパパによる「日常を楽しむ情報」ブログ

今日もお疲れ様です。ここでは、2児(6歳/3歳)の子育て中の30代パパが、「日常を楽しみながら過ごす」ことをモットーとしたブログです。”子育て・仕事”に役立つ情報を、週3回(月・水・金)で発信します。

「君たちはどう生きるか」を観ました

1 きっかけ

 久しぶりに有休を取得。妻も私に合わせて有休を取ってくれました。子どもたちは保育園に...さて、久しぶりの夫婦の時間。

 子どもたちが寝静まった後とかには、「あそこのラーメン屋さん行きたいね」とか「池袋で洋服見たいね(埼玉住まいあるあるかな?)」など意見は出ていましたが、いざ休みの日となると、どれにするか迷うところ。そんな中、ふと「今話題のジブリ作品を映画館で見てみようか」となりました。何でも今回は広告などが一切なく、また映画を観た方の感想は善し悪し別れるとのこと。原作は読んだことはないですが、ジブリ映画好きの私たちではあるので、朝一番で見に行くことにしました。

 

 

君たちはどう生きるか

 

2 映画の前後

 折角なので、普段はあまり行かない新宿の映画館へ。朝一番の9時からの映画でしたが、そこそこ人がいました。年代は30代〜50代くらい、子連れの家族もいました。

 映画は2時間半くらいだったと思います。映画が始まるまでの予告が30分近くあり、妻と二人して「長すぎて逆に予告映画の印象が悪くなる」と話すほどでした。

 映画自体は何とも言えず「難しかったなー」という第一印象。雰囲気は「思い出のマーニー」に似て、ジブリ特有の”起転承結”ではなく、王道の起承転結型でした。

 

3 映画の概要

 主人公の少年は幼い頃に火事で母親を亡くし、それがトラウマのように主人公を苦しめます。父親は母親の妹と再婚し、順風満帆のような様子で過ごしている感じが、まさに家族よりも仕事や自分を優先する「昔の父親」という印象でした。

 再婚した母親の妹は懸命に主人公との距離を詰めようとするも、どこか他人行儀で無理をしている印象。主人公も全然なつく様子がなく冷たい接し方をするため、夫婦の間柄をどこか歪なものにする主人公に対し、少し疎ましく感じているのではと思わせるような様子でした。

 ある日、主人公は転校先の学校で喧嘩をしますが、喧嘩したことを悟られないよう、自分の頭を石で小突き、縫うほどの怪我をします。父親には「誰にやられたんだ」と問い詰められますが、「自分で転んで怪我をした」と嘘をつき、それに対して父親は犯人探しをせんとばかりの学校側への問い詰め、そして我が子を想ってか、学校に多額の寄付をして環境を良くしようとするあまり。

 父親に嘘を付き、学校にも馴染めず、再婚した母親も受け入れられない状態の主人公は精神的に不安定な状態である中、母親が手書きで主人公の名前をメモした「君たちはどう生きるか」の本を見つけます。その本を読んで涙をする主人公。この本を読んで、精神的な安定を取り戻したように見えました。

 その後、失踪した義理の母親を探しにパラレルワールドのような異世界へと旅立ちます。その先では、少女時代の母親や先祖と会い、そして様々なキーパーソンと触れることで、自分自身を見つめ直しながら成長していくストーリーでした。この異世界は食人インコなど少し狂気じみている所はありますが、のほほんとしたシーンから急にシリアスなシーンへと移るジェットコースターのような疾走感があり、あっという間にクライマックスとなりました。

 

4 映画から宮崎監督の思いを読み解く

 この映画で感じたことは、「人は過ちを犯すことはある。ただ、それをやり直し前を向いて進むことができる生物である」というものでしょうか。主人公が母親が残した「君たちはどう生きるか」の本を読んで涙するシーンは、主人公が抱える悩みは不安そして嘘偽りの自分自身を認め受容し、そしてやり直させる自信を持たせる重要なシーンであったと思います。

 そして、クライマックスで先祖にパラレルワールドの管理者を打診されるシーンでは、主人公は自分自身がいた現実世界に戻る決断をしました。現実世界は主人公にとって決して極楽ではなく、学校ではいじめられ、母親は火事で亡くしており、相容れない義理の母親がいる世界です。それでもその世界を選ぶことは、現実を受け入れ、それでも前へと進んでいく主人公の強い決意を感じられるものでありました。

 私に置き換えても、日常は決して楽しいことばかりではありません。仕事でも辛く泣きたくなるような精神的に追い詰められることは多々あります。失敗や上手くやり過ごすための嘘をつくことだってあります。でも、それは人間誰しも経験することで、人間であれば当たり前のことなのかもしれません。それよりも重要であるのは、そのような事実を受け止め、反省し、次に繋げていくマインドセットなのでしょう。

 

 この映画は大人の私が観ても得るものが多く、有意義な時間を過ごしたと実感できるものでした。そして同時に、いつか物心ついた子どもたちに、この映画を観せて感じて欲しいなと思わせる作品でした。