2児のパパによる「日常を楽しむ情報」ブログ

今日もお疲れ様です。ここでは、2児(6歳/3歳)の子育て中の30代パパが、「日常を楽しみながら過ごす」ことをモットーとしたブログです。”子育て・仕事”に役立つ情報を、週3回(月・水・金)で発信します。

日本の起業精神について

1 鶴岡サイエンスパーク

 皆さんは、「鶴岡サイエンスパーク」をご存知でしょうか。場所は山形県鶴岡市にあり、あの慶應義塾大学が創設した先端科学イノベーション施設です。この施設は首相官邸広報でも紹介され、今は多くの若く有能な世代が世界中から集まり、多くのベンチャー企業がこの施設で誕生しています。

 何が人々を惹きつけるのか。この施設創設を主導した冨田さんの講演を聞くとそれが分かり、また私に足りないマインドを得ることができました。

 

2 人々を惹きつける魅力

 鶴岡サイエンスパーク周辺は田んぼに覆われており、何か施設が浮いて見えるのが第一印象でした。しかし、思い返すと他の先進国は商業は都市部に集中し、研究施設は郊外の自然豊かな場所にあり、都市部のビル群の中に狭い研究施設を置くような都市は日本くらいな気もします。そのサイエンスパークは最初は小規模ながらも、大学だけではなく国や山形県、そして鶴岡市が投資することで徐々に拡大し、多くのベンチャー企業を誕生させるほどに成長しました。

 人口の1%に匹敵するほどの研究者が集まり、彼らの研究により、唾液でがん検査を行うものや、蜘蛛の糸の技術を応用し、丈夫で伸縮性のある繊維を作るなどといったことを可能としてきました。

 そんなサイエンスパークのコンセプトは、「未来を見ていく」ことにあるそうです。彼らの取組は単にお金を稼ぐことではなく、最先端技術の社会実装と持続可能性を創出していくことにあります。そのことが、例えば鶴岡市内の高等学校と連携したインターンシップなどの地域貢献にも表れています。

 

3 重要なマインドセット

 鶴岡市は消滅可能性都市でした。基幹産業は農業であり、市や今までハコモノなどの整備をしながら生きながらえてきていました。そのような中、当時の市長が「このままではいずれ鶴岡市は本当に消滅してしまう」と危機感を露わにし、今から種をまいて産業を作っていくべくイノベーションへの投資を推進しました。

 その期待に応え、鶴岡サイエンスパークは投資家やお金を生み出すことに注力するのではなく、日本や世界のために貢献することが地元貢献にもつながる考えの元、多くのベンチャー企業を創出し、また優秀な人材を育てることで、更に世界中から優秀な人材が集まってくる好循環を形成しました。冨田さんは、「日本のベンチャー企業支援はやりすぎている。数値目標を設定しすぎて本質が見えていない。補助金精神があると企業や人はそこに依存して成長しない。」とも話していました。重要なのは前向きに取り組む企業や人材を育てることにあるとのことです。

 冨田さんと同じようなことはできずとも、その精神は倣うことができるはずです。自分自身のマインドセットに良いきっかけを与えてくれる講演でした。