2児のパパによる「日常を楽しむ情報」ブログ

今日もお疲れ様です。ここでは、2児(6歳/3歳)の子育て中の30代パパが、「日常を楽しみながら過ごす」ことをモットーとしたブログです。”子育て・仕事”に役立つ情報を、週3回(月・水・金)で発信します。

「観光ブランドの教科書」をご紹介

 今は大学院に派遣されている私ですが、その前までは長らく観光の部署にいました。「観光が強くない地方自治体で観光を盛り上げるには、どうしたらよいのだろうか...」当時はそんな事を思いながら、初めはルーティンワークのみこなしていたことを思い出します。

 そんな中、他都市の観光部署と話す機会があり、その際に彼らが”観光”について地域ブランドを語ることに刺激され、「そもそも観光というブランドについて知識がない」ということを実感し、この本を手に取りました。

 読んだのは随分前になりますので、当時のメモを見ながら改めて勉強する気持ちでご紹介します。

 

1 基本情報

◆書名  観光ブランドの教科書
◆著者  岩崎 邦彦
◆出版社 日本経済新聞出版社
◆出版日 2019年11月6日

 

2 概要

◆引力がある地域=「来てください」という誘客キャンペーン

 例)そうだ 京都、行こう

 ・”地域引力”(原因)→”観光客”(結果)

◆観光施策の目的

 ・地域が元気になること、住民が幸せになること

 →地域引力の創造:農業×工業×商業×...

 ・”量”のインバウンドより”質”のインバウンド

◆「押す」ではなく「引きつける」

 ・観光客を主語に考える

 ・観光客は価値を求めている(地域<宿泊先での五感で感じる体験)

 →地域に求めるもの=「リラックス」(”モノ”観光ではなく、”コト”観光)

 ⇒リピートビジネスへつながっていく

◆地名とブランド

 例)栃木県<日光、長野県<軽井沢

◆観光地が持つ9つの因子

 明確なイメージ、歴史文化、リラックス、ならでなの食、低コスト、

 交流、接客、自然、体験

 ⇒「地域コンセプト」や「地域イメージらしさ」が重要

  例)名物料理など 地域の名前を聞いてイメージがわくもの

  ※知名度≠ブランド、イメージがわく=ブランド

◆成功事例から考え方を学ぶ

 ①「磨く」

 ・顧客にとっての強み(非日常)

 →引き算で地域引力を見つけ出し、掛け算でナンバーワンになる

  例)温泉と日本猿

 ・シンボルを作る

 →観光客目線となり、自分がそこにいるイメージを作る

  例)MICE:その地域ならではの食体験に魅力を感じる

   →食のブランド作り=食べる”コト”観光を作っていく

 ②ブランド作り

 ・ベクトル合わせ:「ブランドとは何か」のイメージをすり合わせる

 ・現状分析:観光客視点での分析

  →ブランドアイデンティティを形成(独自性×共感性×価値性)

 ・ブランド戦略の実行:例)WEB、ポスター、パンフレット

  →統一感を持つ(そのブランドが持つアイデンティティのイメージ)

  →一貫性を持つ

 ・ブランドの評価、モニタリング

 ・磨き上げ

◆観光される国<観光する国

 ・幸福度が高い

 ・真の観光立国=観光を楽しむ国民が多い&海外からの観光が多い

◆質の観光

 ・滞在時間の増加=地元消費の増加

◆持続可能な観光

 ・「顧客」の循環=滞在促進

 ・「地域資源」の循環=地産地消

 ・「お金」の循環=地元消費、引力のある企業創出

⇒”リピート志向”、”滞在志向”につながっていく

 

3 所感

 自分たちが旅行先を選ぶ際、無意識に使う”視点”が、観光業を営む側にも必要なことが改めて分かりました。何もない所から新たに作り出すのではなく、既にある資源を”磨き上げ”、そして互いに”掛け合わせる”などにより「独自性」を作っていく...

 この作業こそ観光ブランド戦略に必要であり、官民連携での取り組みに適してると思いました。

 

 ぜひ、皆さんも機会があれば読んでみてください。観光客視点でも楽しめる内容だと思います。